今日は朝から慣れない電車に揺られ、大阪へ。
(田舎の教師は滅多に電車に乗りません。笑)
なんの出張かと言いますと、
リーディングDX事業の夏季学習会です。
リーディングDX事業って?
文部科学省が進めている事業で、
全国の小中学校から約200校が指定校となって取り組んでいます。
全国の学校で一人一台端末を「日常使い」できるよう、
研修や事例の共有を行っています。
わたしの学校はその指定校のひとつで、
学校代表として今回の研修に参加したというわけです。
参加した感想を一言で言うと、
これまでにない新しい研修体験で、よい刺激をもらえた!
って感じです。
研修で学んだことをご紹介したいと思います。
GIGA端末の「日常使い」とは
日常使いと言っても、何をどんなふうにできていればよいのかわかりませんよね。
何も特別なアプリをいくつも使いこなす必要はありません。
この事業で目指しているのは、
GIGA端末に標準搭載ている汎用的なアプリと、クラウド環境の活用です。
Microsoftを使っている場合
Word・Excel・Powerpoint・Teams・OneDrive などです。
これらをさまざまな場面でとにかく使い倒す!というのが「日常使い」です。
これだけ?と思うかもしれませんが、
実際これらのアプリやクラウド環境を十分使えているでしょうか?
わたしの学校ではまだまだ使えていません。
この「標準搭載」というところがミソで、
要するに中学、高校、社会人と環境が変わっても、汎用的に役立つスキルを身につけておくことが重要だということですね。
小学校でしか使わない、特定のアプリをいくら極めても意味がないわけです。
では、授業の中で、どうやって「日常使い」をしていくのでしょうか。
授業スタイルの転換 単線型から複線型へ
これまでの授業スタイルといえば、
教師主体で進めることが多く、
子どもたちはみんな同じタイミングで同じ活動をすることが普通でした。
授業の道筋が1つなので、「単線型」授業と言われています。
このような授業スタイルを続けるのであれば、
ICTを活用する場面こそあれど、
GIGA端末の「日常使い」は必要ないでしょう。
しかし、これからの社会を生きていく子どもたちに必要なのは、
自己決定力や自己調整力といった
自分で自分自身の道を切り開いていく力です。
教師から与えられた課題を受動的にこなすだけでは
絶対に身につきませんよね。
だからこそ、授業スタイルの転換が必要なわけです。
これから求められるのが「複線型」授業スタイルです。
その名の通り、授業の道筋が複数ある授業のことです。
このスタイルでは、ゴールは同じでも、
課題解決のプロセスが子ども一人ひとりによって異なります。
つまり、授業中
一人で調べ学習をしている子もいれば、友達と一緒に考えている子もいる。
課題を解決するために、何をするかを子どもたちそれぞれが自分で決める。
教室には、一見ぐちゃぐちゃであべこべな景色が広がるという感じです。
そんな教育を受けてきていない我々教員からすると
想像もできないような授業を
これからしていかなければなりません。
え、無理〜。笑 ですよね。
授業を変える前にまずは教師が変わる。
いきなり「複線型」の授業をするとか
子どもたちに端末を「日常使い」させるとか言われても、
できなくて当たり前です。
だって、先生たちもやっていないのですから。
自分が経験していないことを子どもたちには教えられませんよね。
山を一度も登ったことない人が、
「いいか、山登りをするときはな・・・」
って語れないですよね。
だからこそ、まずは教師から変わるべきなんです。
教師自身が端末を「普段使い」し、そのよさを体感すること。
これが最初の一歩になります。
今回教えていただいたのは次の2つです。
1 校務のクラウド化
先生方は、普段校務でさまざまな書類を扱ったり、誰かとコミュニケーションをとったりすると思います。
そこにICTを取り入れていきます。
例えば
・欠席連絡を「電話」から「チャット」へ
・打ち合わせ事項を「口頭」で伝えるのではなく「チャット」で
・会議資料などをクラウドに保存して共同編集する
などです。
GIGAのよいところは時間や場所に縛られないことです。
普段の仕事で使ってみることで、初めてそのよさを感じることができます。
うまく取り入れることができれば、業務改善にもなりますね。
2 研修のスタイルを変える
これまで、教師の研修といえば
講義や講演を一方的に聞いている
という「インプット」中心のスタイルが定番。
「じゃあ今から隣の人と話してみてください。」
「今からこれをやってみましょう」
といった具合に一本道の研修でした。
これってまさに、従来の「単線型」授業スタイルと同じですよね。
まずはこの研修の持ち方を変えることで、
先生方に「複線型」を体感してもらおうというわけです。
今日の研修会はまさにこれがテーマで、
「アウトプット」の時間がとても多い研修会でした。
具体的には
講師の方の講義を聞きつつ、
学んだことを随時クラウド上でまとめていく
というスタイルでした。
研修中は、インプットとアウトプットが行ったり来たり。
今何をするかは常に自分で考える。
そんな研修でした。
初めての経験だったので、あれもこれもしなければ
と終始忙しい研修でしたが、
これを繰り返し、「慣れていく」ことで、「普段使い」できるようになっていくというわけです。
この感覚を先生方が経験していることで、
授業でも同じように「複線型」のスタイルができるようになっていきます。
教師の学び と 子どもの学び は 相似関係。
教師の学び方が変われば子どもも変わるということを
今回の研修で学びました。
夏休みに、自校で校内研究の全員研修があります。
今回の学びを早速いかすチャンス!
ということで、研修受講者の先生が主体となる
アウトプット中心の新しい研修スタイルに挑戦したいと思います!